「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter (第2期第20号-通巻第32号-)
「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(2 ―20)
発行:2017年5月8日
「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(第2期第20号-通巻第32号-)をお届けします。
今回のNewsletterは、「新しい国際価値論とダイナミック産業」という特集テーマのもとに2本の《特集ワーキングペーパー》を掲載しています。
塩沢由典氏は近著『経済学を再建する/進化経済学と古典派価値論』2014、『リカード貿易問題の最終解決』2014、A New Construction of Ricardian Theory of International Values: Analytical and Historical Approach, 2017で積極的に古典派価値論と新しい国際価値論を展開している。リカード―スラッファ―塩沢と発展した理論を現代古典派理論と名付け、価値論を生産費価値説の観点から整理し、各国の賃金率と商品の国際価値を決定する国際価値論に拡張している。塩沢氏の投稿論文は、宇野派との対話を試みるために、前半において現代古典派理論を提示し、後半において宇野派の経済学への疑問を、三段階論、価値論、中間理論に対して提示している。塩沢氏の投稿論文はもともとは横川信治のダイナミック産業論と動学的比較優位論(横川、2010、2014、Yokokawa、2012、2013、2016)に対する批評として書かれたものである。これに対して横川の投稿論文は、中間理論としてのダイナミック産業論を一般理論にどう位置付けるかという観点から動学的比較優位の概念を再検討している。横川は、資本主義世界システムの長期波動を分析する動学的比較優位論を、現代古典派理論が分析対象とする生産価格だけではなく、一物一価が成立する市場価値のレベルでも展開する必要を論じた。
この特集をきっかけとして、原理論、中間理論、現状分析の関係をどのように再構築し、どのように理論化していくかについて、活発な議論が展開されることを期待しています。積極的な投稿を歓迎します。
Newsletterへの投稿はワーキングペーパーの役割を果たします。ワーキングペーパーの著作権は著者に属しますので、幅広い読者の感想や意見を検討することによって、論文をさらに磨きあげ、学会誌や大学の機関誌で発表することが可能です。既発表論文の転載も受け付けますので、より多くの読者を得るために、「抜き刷り」の郵送の代わりにもお使いください。
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「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter
編集委員:横川信治、植村高久、新田滋、清水真志、吉村信之、田中英明、清水敦
Editorial Board (English): Nobuharu Yokokawa, Richard Westra, Costas Lapavitsas, Robert Albritton, Makoto Nishibe
顧問委員:櫻井毅、山口重克、柴垣和夫、伊藤誠
事務局:東京都練馬区豊玉上1-26-1 武蔵大学経済学部 横川信治
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