第27号

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter227通巻第39

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter227号)

発行:20221221

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(第2期第27号-通巻第39号-)山口重克追悼特集号1をお届けします。
                                                                                                                                                       編集委員 横川信治  yokokwa [at] cc.musashi.ac.jp


今回と次回のNewsletter27号、28号は昨年9月にご逝去なさった山口重克先生の追悼特集号となる。それぞれパート1とパート2とに別れ、パート1では山口先生が1996年~2008年に刊行した5冊の『諸問題』シリーズを手がかりにして、先生の理論について論じ、パート2では山口理論の中で執筆者が最も強い関心を抱いている問題を取り上げ論じるというものである。

『諸問題』シリーズは価値論・方法論、商業資本論、金融機構の理論、類型論、現実経済論がテーマとなっている。原論で先生が主として取り上げてきた問題だけではなく、段階論、現実資本主義分析という経済学全般の分野にわたって、山口理論に対する批判への反論、山口理論の有効性を論じるというシリーズである。単著としては最後に出版されたシリーズであり山口先生の理論的営為を総括する位置にあるものと考えられることから、これを手がかりにした論稿を執筆してもらうことになった。

また、そのような枠にとらわれずに、執筆者が山口理論の中で一番論じたいという問題をとりあげ自由に論じてもらうためにパート2山口理論の地平という舞台を設けた。

パート12では内容が重複するものがあるが、執筆者により異なる取り上げ方がされており、山口理論の深さが再認識されるものとなっている。

 なお、27号追悼号1においては、パート1で『価値論・方法論の諸問題』『現実経済論の諸問題』が取り上げられ、パート2で商業資本論、信用創造論、コミュニティ論が取り上げられている。

 追悼号を契機として、改めて、山口理論の意義の再認識、批判的継承の方向性についての議論が深化することを願っている。

編集担当 菅原陽心

 【ワーキングペーパー】

山口重克追悼特集号1

パート1 諸問題シリーズに寄せて(1)

青才高志「価値に関連した諸問題」
新田滋「山口重克『現実経済論の諸問題』に即して――あわせて最晩年の時代的類型論の発展について――

パート2 山口理論の地平(1)

清水真志「山口商業資本論の残したもの」
斉藤美彦「山口信用創造論の学説史的意義と限界」
福田豊「近代化とコミュニティ」
柴崎慎也「山口重克 著作目録」

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