第25号

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(2-25号—通巻第37号—)

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(2-25号)

発行:2019年3月3日

 

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(第2期第25号-通巻第37号-)をお届けします。今回のNewsletterは、固定資本、社会的再生論、信用論に関する3本の投稿論文を掲載しています。

第1論文、河西勝氏の「「固定資本」に関する『資本論』の誤謬」は、固定資本価格を土地価格と同じくレント(地代、賃貸料)の資本還元と規定することによって、マルクス理論の再構成をはかった論文です。

第2論文、亀﨑澄夫氏の「ストックとフローの首尾一貫した資本の蓄積過程-Marxian stock-flow-consistent Model の構築-」は、ポストケインズ派のWynne Godleyらによるストック・フロー・コンシステント・モデル(SFCモデル)を参照しつつ、資本回転論と社会的総資本の再生産論を合体させることによって、マルクス派のSFCモデルの形成をはかった論文です。ケインズ派の理論では付加価値部分(国民所得)だけがSFCモデルの対象となっていますが、マルクス派のSFCモデルでは中間財の再生産もモデルの対象となっています。

第3論文、丸山泰德氏の「研究ノート:宇野理論の懸案問題―信用論について―」は、信用論に関する宇野弘蔵の2段階説、大内力の二元論の検討を通じて、マルクス派の信用論を整理し、利子生み資本・地代生み資本・利潤生み資本の資本形態の分析から擬制資本的形式の範疇規定、金融資本の形態規定を行っています。

なお、第26号は24号で予告しました「価値論・国際価値論」特集を予定しています。価値論・国際価値論関係の論文を引き続いて募集します。第26号の投稿締め切りは2019年4月末です。

編集担当 横川信治yokokwa [at] cc.musashi.ac.jp

 

【ワーキングペーパー】

  1. pdficon河西勝「固定資本」に関する『資本論』の誤謬」
  2. pdficon亀﨑澄夫「ストックとフローの首尾一貫した資本の蓄積過程-Marxian stock-flow-consistent Model の構築-」
  3. pdficon丸山泰德「研究ノート:宇野理論の懸案問題―信用論について―」

【一括ダウンロード】

  1. pdficon一括ダウンロード(PDF形式:1.2MB)

What's New?

The Japanese Political Economyが新しい国際的な編集委員会のもとに、内容を一新して再出発しました。42巻(2016年)と43巻(2017年)が、欠巻をなくすために合併号としてオンラインで発行されています。紙媒体も近日中に発行されます。44巻合併号(2018年)も近日中にオンラインで発行されます。45巻(2019年)から季刊で定期的に発行されます。

Vol 42 I-IV (2016)

  • Makoto Itoh, Robert Rowthorn & Jayati Ghosh “The structural change in the world economy with a decay in advanced countries.”
  • Kostiantyn Ovsiannikov “Impact of shareholder-value pursuit on labor policies at Japanese joint-stock companies: Case of Nikkei Index 400.”
  • Myles Carroll “Production, reproduction, and crisis in Heisei Japan.”
  • Chie Aoyagi, Giovanni Ganelli & Nour Tawk “Minimum wage as a wage policy tool in Japan.”
  • Toshihiko Hayashi “Can a population-declining Japan sustain growth?”

Vol. 43 I-IV (2017) "Structural Changes in Asia: does the services sector lead growth?"

  • Nobuharu Yokokawa and C. P. Chandrasekhar “Introduction.”
  • Sukti Dasgupta, Kee Beom Kim, and Luis Pinedo Caro “As much to be gained by merchandise as manufacture? The role of services as an engine of growth.”
  • C. P. Chandrasekhar “Alternative 'models' of structural transformation in Asia and their implications.”
  • Tomoo Marukawa “Sharing Economy in China and Japan.”
  • Kang-Kook Lee “Growth, Inequality and Structural Changes in Korea: Egalitarian Growth and Its Demise.”

 

Newsletterへの投稿はワーキングペーパーの役割を果たします。ワーキングペーパーの著作権は著者に属しますので、幅広い読者の感想や意見を検討することによって、論文をさらに磨きあげ、学会誌や大学の機関誌で発表することが可能です。既発表論文の転載も受け付けますので、より多くの読者を得るために、「抜き刷り」の郵送の代わりにもお使いください。

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「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter
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