「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(2-25号—通巻第37号—)
「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(2-25号)
「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(第2期第25号-通巻第37号-)をお届けします。今回のNewsletterは、固定資本、社会的再生論、信用論に関する3本の投稿論文を掲載しています。
第1論文、河西勝氏の「「固定資本」に関する『資本論』の誤謬」は、固定資本価格を土地価格と同じくレント(地代、賃貸料)の資本還元と規定することによって、マルクス理論の再構成をはかった論文です。
第2論文、亀﨑澄夫氏の「ストックとフローの首尾一貫した資本の蓄積過程-Marxian stock-flow-consistent Model の構築-」は、ポストケインズ派のWynne Godleyらによるストック・フロー・コンシステント・モデル(SFCモデル)を参照しつつ、資本回転論と社会的総資本の再生産論を合体させることによって、マルクス派のSFCモデルの形成をはかった論文です。ケインズ派の理論では付加価値部分(国民所得)だけがSFCモデルの対象となっていますが、マルクス派のSFCモデルでは中間財の再生産もモデルの対象となっています。
第3論文、丸山泰德氏の「研究ノート:宇野理論の懸案問題―信用論について―」は、信用論に関する宇野弘蔵の2段階説、大内力の二元論の検討を通じて、マルクス派の信用論を整理し、利子生み資本・地代生み資本・利潤生み資本の資本形態の分析から擬制資本的形式の範疇規定、金融資本の形態規定を行っています。
なお、第26号は24号で予告しました「価値論・国際価値論」特集を予定しています。価値論・国際価値論関係の論文を引き続いて募集します。第26号の投稿締め切りは2019年4月末です。
【ワーキングペーパー】
- 河西勝「固定資本」に関する『資本論』の誤謬」
- 亀﨑澄夫「ストックとフローの首尾一貫した資本の蓄積過程-Marxian stock-flow-consistent Model の構築-」
- 丸山泰德「研究ノート:宇野理論の懸案問題―信用論について―」
【一括ダウンロード】
【What's New?】
The Japanese Political Economyが新しい国際的な編集委員会のもとに、内容を一新して再出発しました。42巻(2016年)と43巻(2017年)が、欠巻をなくすために合併号としてオンラインで発行されています。紙媒体も近日中に発行されます。44巻合併号(2018年)も近日中にオンラインで発行されます。45巻(2019年)から季刊で定期的に発行されます。
Vol 42 I-IV (2016)
- Makoto Itoh, Robert Rowthorn & Jayati Ghosh “The structural change in the world economy with a decay in advanced countries.”
- Kostiantyn Ovsiannikov “Impact of shareholder-value pursuit on labor policies at Japanese joint-stock companies: Case of Nikkei Index 400.”
- Myles Carroll “Production, reproduction, and crisis in Heisei Japan.”
- Chie Aoyagi, Giovanni Ganelli & Nour Tawk “Minimum wage as a wage policy tool in Japan.”
- Toshihiko Hayashi “Can a population-declining Japan sustain growth?”
Vol. 43 I-IV (2017) "Structural Changes in Asia: does the services sector lead growth?"
- Nobuharu Yokokawa and C. P. Chandrasekhar “Introduction.”
- Sukti Dasgupta, Kee Beom Kim, and Luis Pinedo Caro “As much to be gained by merchandise as manufacture? The role of services as an engine of growth.”
- C. P. Chandrasekhar “Alternative 'models' of structural transformation in Asia and their implications.”
- Tomoo Marukawa “Sharing Economy in China and Japan.”
- Kang-Kook Lee “Growth, Inequality and Structural Changes in Korea: Egalitarian Growth and Its Demise.”
Newsletterへの投稿はワーキングペーパーの役割を果たします。ワーキングペーパーの著作権は著者に属しますので、幅広い読者の感想や意見を検討することによって、論文をさらに磨きあげ、学会誌や大学の機関誌で発表することが可能です。既発表論文の転載も受け付けますので、より多くの読者を得るために、「抜き刷り」の郵送の代わりにもお使いください。
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「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter
編集委員:横川信治、植村高久、新田滋、清水真志、吉村信之、田中英明、清水敦
Editorial Board (English): Nobuharu Yokokawa, Richard Westra, Costas Lapavitsas, Robert Albritton, Makoto Nishibe
顧問委員:櫻井毅、山口重克、柴垣和夫、伊藤誠
事務局:東京都練馬区豊玉上1-26-1 武蔵大学経済学部 横川信治
Webマスター:小野成志
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