第29号

第29号

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter229通巻第40

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter229号)

発行:20231010

「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(第2期第29号-通巻第40号-)関根友彦追悼特集号1をお届けします。

編集委員 横川信治yokokwa [at] cc.musashi.ac.jp

Newsletter29号と30号は20221月に逝去された関根友彦先生の追悼特集号として企画した。企画の内容と趣旨は以下の通りである。

29号は経済学原理論(関根先生の表現では「資本の弁証法」)関係の追悼論文を、30号は段階論・現状分析関係の追悼論文を中心に、掲載することにした。執筆者は、関根友彦先生を囲む研究会として始まった「杉並経済学研究会」のメンバーに依頼した。「杉並経済学研究会」は、当初カナダ・トロント(正式にはノース・ヨーク市)のヨーク大学への留学や在外研修において関根先生・Albritton氏にお世話になった者やSGCIMEの有志5・6人を中心に経済学原理論をテーマに始まり、その後関根先生と親交のあった者や関根先生の考えに関心のある者へと拡大し、テーマも段階論や現状分析にも拡げ、17年近く続いている。

29号のパート1には、3つの追悼論文、永谷清氏:The dialectic of the theory of the commodityと田中史郎氏:価値形態論における商品名と数量、亀﨑:関根友彦氏の「価値法則の論証」について、を掲載した。また29号には、原理論関係の論文のほかにパート2として、関根先生の経済学研究の一つのホームグラウンドであったカナダ・トロントにおいて、先生と縁の深かった方々にトロントでの関根先生の研究活動についてのエッセイを依頼した。3人の方 (Jennifer WelshJohn Simoulidisさんの協力によるRobert Albrittonさん、Colin Duncanさん、Stefanos Kourkoulakosさん) から心温まる追想のエッセイが届き、トロントにおける関根先生の活躍と北米におけるUno Groupの研究活動の一端が垣間見られる読みものとなっている。執筆してくださった方々および仲介の労を執っていただいた関根先生の奥様・和子様に感謝したい。

関根先生の研究は、海外で独立になされた宇野理論の研究であったこと、および新古典派経済学の研究から始まり途中で宇野経済学への転進であったことから、日本における宇野理論の研究とはさまざまな点で相違している。関根理論の多様な特徴を挙げれば、宇野原理論をヘーゲル弁証法の経済理論への適用として理解する『資本の弁証法』、それと密接に関連する人間の「経済的動機」の絶対化としての「資本」物象化説、ポランニー研究を基礎とする経済がもつ二重(二重とは、商品経済的な形式=形態的経済と人間生活や社会的物質代謝を基礎とする実体的経済)の意味論、マルクス・宇野・ポランニーの見地からの新古典派経済学批判、第一次世界大戦後の社会の脱資本主義過程説、工業を中心とする狭義の経済学から生命系に根ざす「広義の経済学」への転換の必要性論、1970年代以降の産業利害に対する金融利害の優勢による実体経済と社会とを崩壊させるカジノ資本説、などがある。これらの論点は、宇野経済学に対してだけではなく、経済学全般や社会科学に対して提出された新鮮で大胆で根本的な問題提起をなしている。Uno-Newsletter関根友彦先生追悼特集号12を機に、関根先生が提起した諸論点の研究が進展することを願っている。

編集担当 亀﨑澄夫、星野富一、岡本英男

 【ワーキングペーパー】

関根友彦追悼特集号1

パート1 「経済学原理論(「資本の弁証法」)」

永谷清 “The dialectic of the theory of the commodity”

田中史郎 「値形態論における商品名と数量」

亀﨑澄夫 「関根友彦氏の『価値法則の論証』」

パート2 追想エッセイ

Robert Albritton

Colin Duncan

Stefanos Kourkoulakos

【一括ダウンロード】pdficon一括ダウンロード(PDF形式:1.2MB

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